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令和4年度 第10回定例会ニュース


8月20日~22日 北アルプス:朝日岳・雪倉岳・白馬岳  苫米地、堀部

■ 8/20静岡発0:00=自家用車=4:15泊着(仮眠)4:45黒東タクシー本社5:00=タクシー =5:55北又小屋6:24…10:07イブリ山通過…12:00朝日小屋(素泊まり)

  8/21朝日小屋6:10…7:20水平道分岐…10:15雪倉岳…12:55三国境…13:38白馬岳…14:15村営頂上小屋(幕営)

  8/22村営頂上小屋4:30…6:50清水岳直下…8:45不帰岳避難小屋…13:10林道出合…13:30祖母谷温泉…14:34欅平14:37++黒部峡谷鉄道++15:40宇奈月温泉16:55=タクシー=17:30泊=18:00スーパー銭湯18:40=23:30静岡着

 夏は暑い。なるべく標高の高い山を登りたい。7月に南アルプス、8月に富士山と登り、締めは北アルプスとした。まだ歩いたことのない北又小屋から朝日小屋のコースから入山、逆コースでは歩いたことのない朝日岳から白馬岳をたどり、白馬岳から祖母谷温泉へと下ることにした。問題は北又小屋までのタクシー代¥10,500だったが、堀部さんが同行してくれることになりとりあえず一安心。

 朝日町泊の黒東タクシー本社まで静岡から約4時間、少し仮眠して5:00に出発。前日にけっこう降ったらしく沢筋にはかなり水が出ている。昔、小川温泉から越道峠までタクシーで入り北又谷に入渓、途中増水で敗退して帰りは徒歩で小川温泉まで下ったことがあった。北又小屋は無人だが立派な小屋でトイレや水場がある。出発準備をしているとタクシーが4人連れの登山者を乗せて到着。予報では午後から雨、空は今にも降り出しそうだ。100段の階段を降りて橋で対岸の尾根にとりつく。イブリ山まで1合目から10合目まで看板があるのを励みに登る。立派なブナの木が多い。途中から早くも雨がパラつき始めて雨具を装着する。赤い小さな蛇が山道をよぎる。イブリ山を越えるころには本降りとなる。イブリ尾根、夕日ヶ原と進むにつれて豪雨となり、山道は増水で沢と化した。樹林帯を抜けてからはぶっ通しで歩いて朝日小屋に飛び込んだ。全身ぐっしょりである。予報では明日にかけて雷を伴ってさらに激しく降るということで、居合わせた山岳救助隊に素泊まりを勧められる。予約してないので躊躇したが、キャンセル客が多いので小屋のおかみさんも素泊まりを認めてくれる。予約なしの緊急宿泊の場合は¥2,000増しだそうだがカンベンしてくれた。部屋は個室で大変居心地がよかった。土砂降りを眺めながら昼酒。

 午後から良くなるというおかみさんの話だったので遅めの出発とした。しかし、朝になると「白馬越えは大変だ。6時出発ではおそい!」と叱られる。そこで朝日岳山頂はカットして水平道で時間短縮することに。霧の中をアップダウンしながら朝日岳の南斜面をトラバースしていく。時折ガスが晴れて歓声が出る。水平道分岐からさらに赤男山をトラバースして雪倉岳とのコルへ。ここは朝日小屋より標高が低くここから雪倉岳までは1時間では登れない標高差だ。相変わらずガスっているが、豊富な高山植物に慰められながら山頂へ。逆コースの登山者もこの辺りですれ違う。雪倉岳直下ですれ違った大学生グループはシュっとしていたので、思わず「大学のワンゲルですか?」と声をかけると、「立教大学の山岳部です!」とのお答え。また堀さんの関係者だ!みなさん小ぎれいななりをしていて、女子部員も3、4人いるようだった。さすが立教ともなると山岳部でも垢抜けている。雪倉岳山頂では避難小屋に詰めているおっちゃんがいて、すれ違った登山者についての情報を収集し登山者の安否を確認している。鉢ヶ岳は東側をトラバースして三国境へ砂礫の道をダラダラ登る。三国境からは白馬大池方面からの登山者が合流してにわかに人が増える。心配していた雨には降られず無事白馬岳山頂到着。真上を見上げるとぽっかりと青空がガスのなかに覗いている。あとは生ビールを楽しみに白馬村営頂上宿舎へとくだる。さすがに人気の山だけあってテント村ができていた。テントを張って生ビールと枝豆セットで乾杯!就寝後に土砂降りとなる。堀部さんが気づいて対処してくれたが、テント内もびしょ濡れ。

 一転して翌朝は満点の星空。4:30に出発して清水尾根を下る。旭岳手前の雪田はツルツルに凍っていた。東の空が赤らみ、白馬岳の巨大なシルエットが素晴らしい。清水岳までコースタイムでは1:40だが2:30ほどかかる。入山以来の好天に恵まれ思わず写真を撮る回数が増えたのが理由だろう。清水岳からの下り、特に上部は池塘や草原に囲まれた尾根が続き、黒部渓谷をはさんで対峙する劔岳の姿が素晴らしい。花も豊富でできれば半日ぐらいゆっくりしていたいところだ。ただ長―い下りなので先を急ぐ。樹林帯に入ると景観も風もなくひたすら蒸し暑さとアップダウンに耐える。体長1mを越す蛇に遭遇してドキッとしたが、標高的には安倍奥と同じ程度なのだった。激しいアップダウンに足がついに悲鳴をあげ、右ふくらはぎに激痛が走る。軽い肉離れだ。ストックで体を支えてなるべく荷重が右ふくらはぎにかからないように気づかいながら下る。不帰岳避難小屋は立派な小屋で直下に水場もある。百貫山手前のコルから百貫ノ大下り。地図上では延々と水平トラバースが続くように見えるが、実際には小刻みなアップダウンの連続で、崩壊した沢のトラバースやトラロープにすがってのズルズルの急坂など体力を削られる。おまけに全然標高を稼げないので精神的にもキツイ。昔、トレランスタイルで祖母谷を2:00に出発して9:30には白馬岳頂上宿舎に登ったことがあり、今回は下りだしもっと短時間で下れるはずだと思いきや、逆に2時間ばかり余計にかかってようやく祖母谷温泉に到着した。冷えたアクエリアスを一息に飲み干す。ここから欅平まで車道の下りでなんでもないはずが、足の痛み、肩の痛みでやたら長く感じられた。欅平で入浴してからトロッコ列車に乗車するつもりが、すぐ乗れるというのであわてて乗り込む。オープン車両が満席で高額なリラックス車両に乗車したのだが普通の電車のようでつまらなく、宇奈月までの約1時間がとても長く退屈に感じられた。宇奈月にはタクシーが常駐しておらず、泊から黒東タクシーを呼んだので時間が余計かかってしまったのも誤算だった。なんとか午前様にならずに静岡に帰ったが翌朝からお仕事の堀部さんにはなんとも申し訳ない結果となった。昔の体力や記憶をあてにするほど怖いものはないと改めて思い知らされた。付き合っていただいた堀部さんには厚く感謝です(苫米地)。

■8月20日(土)

 0:00  自宅発

 4:45   泊市 小川元湯 黒東タクシー

 5:55   北又小屋着 タクシー代:8,500円(10,000円-助成金1,000円×2人)

    食事、山行準備、携帯電話通じないが公衆電話あり。

 6:24   北又小屋出発、4人組パーティと同時に出発

 7:17 2合目休憩 小雨が降るものの広葉樹に守られ雨は気にならない

 7:34  3合目

 7:57  4合目

 10:07  休憩  イブリ山通過  10:30頃から雨が強くなる

 10:57  休憩  標高2,150m ずぶ濡れ 休憩せず

 12:00  朝日小屋着 富山県警山岳警備隊駐在より、『これから天候が荒れ る』とのこと。テント泊をあきらめ小屋に素泊まりを選択(9,000円/一人)。 衣類、雨具、ストーブで乾燥。同時に出発した4人組が3人になり13:30到着。食事、缶ビール飲む。

 18:00 就寝

★ 一日目 感想:はじめてのコース、緑の中、空気がきれいだと感じた。新鮮な空気を満喫した気分。 久しぶりの山行には単調な登りであった。50分歩行10分休憩のリズムで登れて良かった。雨も1時間半で済んだ。山小屋にウォシュレットが設置されていることに驚愕、宿泊者は20名、熟睡できた。山小屋としては、とても新鮮に感じた。 移動時間:5時間半(休憩含む)、歩数:18,800歩

■8月21日(日)

4:00  起床

5:00  食事

6:10  朝日小屋出発 天気:曇、霧 

7:19  朝日岳分岐着→朝日岳山頂を避け水平移動7:31発

8:21  休憩 標高2081m

10:15  雪倉岳山頂着 標高2610m避難小屋の人待機 

10:28発 鉢ケ岳を巻く途中ライチョウ2羽と遭遇 避難小屋通過

11:20  休憩 暑い 11:30出発

12:23  三国堺手前にて休憩 12:35出発

13:38  白馬岳山頂着 テント設営、村営小屋にて生ビールと枝豆いただく

    17:00頃から大雨・大荒。21:40すぎ 雨が止む トイレに行き 就寝

夜中に雨水がベンチレーターからテントに侵入し水浸しになり、水の排水作業でほとんど寝れず

★二日目感想:ガスがかかり視界はいまひとつだったが、登山道も指導標もしっかりしており歩きやすかった。朝5:30頃食後のお茶を飲んでいると朝日小屋主人の清水ゆかりさんに「白馬岳まで行く人が、のんびりしてはいけない計画通り行くなら早く出発しなさい」

と注意された。慌てて出発し、視界不良と思われる朝日岳山頂を避けて水平移動しほぼ予定通り白馬岳に到着できた。暑くも寒くもなく何とか雨も降らず、視界は悪いが、充実した一日だった。山小屋での生ビールは本当に心と体にしみて美味しかった。山小屋の存在に心から感謝する。移動時間:6時間半(休憩含む)、歩数31,100歩

■8月22日(月)

2:00 起床 晴天 満天の星空 まばゆいばかりの星に感動

2:30 準備開始、食事、片付け、テント撤収

4:30 出発 星がきれい 見渡す限りの絶景 写真撮る

5:30  休憩 清水岳付近 草が濡れて、下はぬかるみ多い 景色は最高 

5:37出発

7:25  休憩 五竜・鹿島槍・唐松がきれいに見える  

7:35出発

9:40  休憩 不帰岳付近トラバース

10:40 休憩 斜面が厳しく足場が悪い

 11:40 休憩 50分歩き 10分休憩のリズムを保つ

12:40 休憩 足場悪く フィックスロープ有、斜面4ケ所 かなり厳しい

13:30 祖母谷着 温泉にてポカリスエットを購入し飲み干す

14:34 欅平駅着 14:37トロッコ電車に乗車移動→宇奈月駅着15:40

    黒東タクシーを呼び泊市へ移動

17:00 泊市着→スーパー銭湯「らくちーの」で入浴し静岡市へ

23:30 自宅着     歩行時間10時間、歩数43,000歩

★山行全行程の感想:日毎に歩行時間と移動距離が長くなり足場も悪くなり、後半にいくほど苦労した。体力を鍛える必要があると痛感した。スタートしてすぐの雪渓は滑って歩きにくかった。草が濡れていたので、靴がずぶ濡れになったため、スパッツは必要だと思った。3日目の星空と絶景には本当に感動し、山をやっていて良かったと実感した。みんなにも見せてあげたいと思ったが、ここまで歩いてきた者にしか得られない褒美なのだからと思うことにした。疲労感も含めて楽しい山行でした。同伴者の苫米地さんには本当にお世話になり感謝している。行き帰りの長時間の運転、3食の朝夕の食材等全て用意いただき本当にありがとうございました(堀部)。